ゾウってすんごく不思議じゃないですか?
キリンもかなり不思議で謎で、良い意味で意味不明な動物でしたが、ゾウもまたキリンと双璧を成す不思議動物だと僕は思っています。
ゾウって強いのか?
そもそもどういう生活をしているのか?
あの鼻はどうしちゃったのか?
なぜ象牙は密猟対象になるのか?
今回はそんなゾウさんに纏わる最低限知っておくときっとゾウへの見方が変わる知識をご紹介します。
ゾウは大きく分けて2種類! 顔も結構違う
まず知っておきたいのが、ゾウの種類は大きく分けて2種類あるということ。
1つ目が、アジア圏に広く生息しているアジアゾウ。
もう1つが、サバンナなどに生息するアフリカゾウです。
違いはあるのかどうかが気になるところ。
大きく違うのは、まず耳の形。
アフリカゾウは比較的耳が大きいのですが、アジアゾウは耳が小さいです。
牙も、基本的にはアフリカゾウの方が大きいです。
さらに気性も違っており、アフリカゾウの方が気性が荒く、アジアゾウの方が穏やかな気性で人間にも慣れやすいです。
高さは、3メートルほどになりますが、これもアフリカゾウの方がアジアゾウに比べて大きくなりやすいです。
※因みに記録上での最も大きかったゾウは4メートルの高さがあったソウです。
顔の見た目も、今挙げたような耳の大きさ、牙の長さなどの違いでかなり違って見えるので、見比べてみてください。
まずはコチラがアフリカゾウ↓。
なんというか、これぞゾウ、という印象。
次に、アジアゾウを見てみましょう。
明らかにアフリカゾウに比べて耳が小さいことがわかります。
因みにゾウは子供の時から耳の形はある程度整っており、子供のアフリカゾウでも大人のアジアゾウぐらいの耳があります。
アジアゾウとアフリカゾウとを見比べていて素直に感じた事なのですが、パッと見でもなんとなく見分けがつきますよね?
アジアゾウの方がどことなくアジアンな仙人風な風格があるように感じますし、アフリカゾウは雄大なサバンナを闊歩する姿がその顔にも滲み出ているように感じます。
人間もアジア圏の僕らと西洋の人々との顔が大きく異なるように、哺乳類パイセンであるゾウも同じように東西で顔の作りが異なっているのですね。
正直なところ、やっぱりアフリカゾウの方がカッコイイ気がしてしまうのは僕だけではないはず。
ゾウの謎に満ちた生態
謎多き……というよりもなかなかゾウの生態に詳しい方はそもそも少ないと思います。
基本的な情報として、ゾウは草食動物ですからお肉類は食べません。
草木や野菜・果物などが主食で、あの大きな体を維持するためにとんでもない量を食べます。
丸一日食事に費やす事もあり、150kg以上の植物を食べ、水も100Lを一日に飲むのです。
そしてそれだけ食べるゾウのウンチもなかなかの量で、平均100kgの大便をします。
まさに大便です。
ただしその大食いがアダとなる事も多く、ゾウ自らが個体数の多さで生息域の植物を食べつくしてしまい餓死してしまうような自爆も起きてしまいます。
当然ながら食に関しては自然環境への依存度が極めて高いので、環境破壊の影響を真っ先に受けてしまう動物でもあります。
さらにあまりにもゾウの個体数が増えすぎてしまうと、人間の暮らす地域の植物や農作物も食い荒らすため、時に害獣に指定されてしまうことも。
動物と人間との共存って、言うほど簡単じゃないのですね。
※巨大ゾウも見れる記事があるので併せてご覧ください。
死を弔う習性とゾウの墓場伝説の謎
未だ解明はされていないゾウの不思議な行動として、仲間のゾウが死んだ際に死体を取り囲んで鼻で撫でたりしてまるで弔っているかのような行動が確認されています。
ゾウは知能が高い動物でもあり、人間に対してもゾウに対して優しくしてくれる人間には甘え、敵対する人間には威嚇するなどしっかりと見分けることができます。
他にも鏡に映った自分の姿を自分だと認知できる数少ない動物でもあります。
そんなゾウですから、仲間の死ももしかしたらうっすらと理解し、最後の別れを仲間達でしてあげているのかも知れません。
ゾウの死に関するもう一つの謎が、ゾウの墓場伝説です。
これは欧米で広まっていた伝説で、ゾウの死体を滅多に見かける事が無かった為に「ゾウ達にはゾウの墓場という特別な場所があり、そこで皆死を迎えている。だから我々はゾウの死体を滅多に見ることができないのだ」と考えられて生まれた伝説です。
この伝説をモチーフとした物語も数多く存在しています。
しかしこの伝説は今では否定されています。
理由は、ゾウに限らず多くの動物の死体というのは、速やかに分解されたり風化する為にそもそも滅多に見られないからだそうです。
でも「ゾウの墓場」というなんだか不気味でいてワクワクするような言葉を生み出すあたり、流石欧米パイセンといったところ。
群れで移動し、子供を守るように取り囲む
ゾウが群れを作り、水場を求めて大移動する映像をもしかしたら見たことがあるかも知れません。
↑コチラの動画でも、ゾウが水場を求めて大移動するシーンが見れらます。
ゾウが群れで移動するのは、単独行動だと肉食動物などに襲われてしまいますし、さらに賢い肉食動物達は弱っているゾウや、子供のゾウを優先的に狙ってくるからです。
群れで移動し、かつ子供を囲むように守る事で肉食動物達に襲われにくいフォーメーションにしているのです。
ゾウと肉食動物との戦いは決して昼だけの事ではありません。
むしろ、夜にはあまり目が見えなくなるゾウにとって夜こそが最も危険な時間帯。
そして当然肉食動物達がその時間帯にぼうっとしているわけがないのです。
↑コチラの動画では、まさに危険な夜に子供のゾウがライオンによって襲撃される恐ろしい動画。
ライオンだって生きる為に必死です。
狩りが成功しやすい相手を選び、時間帯を選び、手段を選ばず大勢で確実に仕留める。
――ではゾウがライオンよりも弱いか? と言えばそれはまた別の話。
力だけで言えば圧倒的にゾウの方が強いでしょう。そもそも体重差が圧倒的ですし、体重を乗せた鼻の一撃や体当たりはライオンには相当効きます。
だからと言ってゾウとライオンが1対1で戦えば確実にゾウが勝てるかと言えばそんなこともなく、結局はお互いの戦いの上手さによって大きく結果は変わってしまいます。
そもそもゾウがライオンを積極的に倒しに戦いを挑むような事は無く、あくまでも仲間や子供を守るためにのみゾウは戦います。
なんという聖騎士様。カッコイイです。
それに、基本的にはゾウもライオンも負ける戦いを挑んだりはしないので、上に紹介した動画のように「勝つべくして勝つ」という武田信玄ばりの戦をするのです。
むしろライオンに関しては群れで一匹の弱者を狙う戦法こそが正攻法と言えるでしょう。
動物達には武士道もクソもありません。
生きる為に戦っているのですから。
※過去に書かせて頂いた頂点捕食者の記事もよければご覧ください。
あの長い鼻と牙はどうなってるんです?
ゾウと言えばあの長い鼻。
本当の本当に一体なんなんです? と思わざるを得ない不思議な鼻です。
ゾウの鼻の謎
ゾウの鼻は、上唇と鼻が一緒になっているような構造です。
確かにゾウをよく見てみると、上唇が無く、その位置に鼻があることがわかります。
そして鼻はなんと15万個以上の筋肉で構成されており、鼻の中には8L以上の水を貯える事が出来ます。
さらにただ単にマッスルマッチョな鼻というだけではなく、鼻の先端は人間の手のように器用に物を掴むことも出来ます。
また、ゾウは嗅覚も優れている動物であり、レーダーのように鼻を上にかざして臭いを嗅ぎ、危険を察知する事も出来ます。
もちろん、水中では鼻を上に出して、忍者の水遁の術のように呼吸をすることもできます。
凄いのです。
一家に一ゾウ欲しいぐらいに超性能な鼻。
ゾウの凄さというのは1にも2にも鼻なのです。
↑割とマジで欲しいぬいぐるみ。30代半ばのおじさんでもぬいぐるみ買っちゃいけない法律ないもんね。
なぜ象牙は狙われるのか?
ゾウの牙、すなわち象牙は、見た目の美しさに加え密度もあり、さらに加工しやすい事から古くから珍重されてきました。
日本でも奈良時代から宝飾品として加工された象牙が確認されているので、その歴史は古いです。
しかし象牙目当てのゾウの乱獲により生態系にも影響が出始めた為に、1,990年からワシントン条約において原則禁止とされています。
さてこの象牙密猟問題ですが、日本も全然無関係ではないのです。
それは、日本でもかつて大量に象牙を輸入していた時代があり、今でも大量の象牙の在庫があるからです。
さらに日本には根深い印鑑文化があります。
印鑑の中でも象牙の印鑑は価値が高く、今でも国内で買うことができます。
実はこの象牙と日本の問題は今も続いており、大手ネット通販サイトなどは象牙製品の取引を中止したり販売停止としたりと様々な対策が続いています。
ニュースでなんとなく、どこか遠い国の話だと思っていた方もいるかとは思いますが、日本で印鑑などに使われる象牙も関係していたとしたら、それは完全に自分ごとになるのです。
詳しく知りたい方は是非WWFジャパンの「象牙市場問題」に関する記事をご覧くださいませ。
僕も詳しく知らない事でしたので、目からウロコであると同時にショックでした。
無関係だと思っていたことが大いに関係あることだと知った時、何が出来るのか?
それぞれが考えていかねばいけないですね。
まとめ
ゾウの魅力たっぷりの記事、いかがでしたでしょうか?
とにかくゾウは鼻がすげぇ!
そして象牙問題は無関係じゃない。
この2つだけでも覚えておいていただければと思います。
最後に、ゾウが見れる動物園一覧が出ているサイトさんのページを貼っておくので、是非お近くの動物園で生のゾウを見て鼻の動きも見てみて下さい。
※因みに僕は去年ですが東武動物公園のゾウさんに会ってきました。
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