ドラえもんの栗まんじゅうが増え続ける話を妻にしたら藤子・F・不二雄の凄さを思い知った【バイバイン】

栗まんじゅう

僕の人生において、今のところではありますが一番何度も繰り返し読んだ漫画というのは間違いなく『ドラえもん』だったりします。

実家にてんとう虫コミックスの単行本が大量にありまして(おそらく全巻ではなかったと思います)、スマホなんてものがなかった時代の幼き年齢の僕は繰り返し読んだものです。

何と言いますか、『ドラえもん』って「うぁナニコレ面白ぇ!」という感じではないんですよね。

藤子・F・不二雄先生のあのタッチだったり、セリフだったり、あともちろん物語が、あくまでもジワジワとにじみ出てくる面白さを作り出していると思うのです。

故に、一部分の見せ場だけもう一度チラ見すれば満足しちゃうような漫画とは違い、繰り返し繰り返し読んでも面白い。

――とまぁ書かずとも、声優の世代交代を繰り返してまで未だに人気を保ち続けてアニメ放送が続けられている時点で、『ドラえもん』の面白さというのはお墨付きです。

前置きが長くなってしまいましたが、今回僕が話したいのは『バイバイン』の話です。

バイバインあらすじを妻に話した結果

バイバインの収録されているコミックス17巻

バイバインあらすじ↓↓

バイバインの回は、のび太君とドラえもんが、おいしい栗まんじゅうを無限に食べたいという想いから、一滴垂らすと5分毎に物が倍々に分裂していくという『バイバイン』という道具を栗まんじゅうに使います。

2人は倍々に増えていく栗まんじゅうに狂喜乱舞するわけですが、色々あって食べきれずにいる内にとんでもない数に栗まんじゅうは増えてしまいます。

そこでドラえもんが、バイバインのかかったままの、増え続けている栗まんじゅうをまとめて風呂敷にぶち込んでロケットで宇宙に飛ばしてしまう――というお話。

本当にそれだけのお話なのですが、つい最近どういう風の吹き回しか、僕の妻がセブニレブンで売っていた栗まんじゅうを買って帰ってきたのです。

すっかりドラえもんのことなんて忘れていた僕ですが、その栗まんじゅうを見てバイバインの話を思い出したので、今書いたように最低限の内容で妻にバイバインの話をしたのです。

すると、僕の妻は「へぇ、面白そうだねその話と言いました。

ここで僕は驚愕しました。

一見、普通の会話であり、特に特別な点などないように思えます。

ただし、僕と妻の関係性とこれまでの経験の中で、僕が何かの物語の話をざっくりと話して妻が「面白そう」と言ったことなどただの一度もなかったのです。

テレビで戦国時代の事についてのクイズをやっていて、僕が得意げに戦国時代豆知識を話すと結構本気で「うるせぇ」とキレられました。

鬼滅の刃が本当に面白いから、と僕が面白さを熱弁しても、「鬼滅のヤイクソの話は二度とすんなよ」と退けられました。

普段、僕が見た面白かった映画のことをオススメしても、面白がってくれたことも一度もありませんでした。

なのにバイバインの話が妻の心を開いた⁉

やはり、ドラえもんは何か持っているのでしょう。

そして藤子・F・不二雄先生はやはり天才なのです。

どこの誰とも知らん僕のような凡人が、正確には覚えていない記憶だけでざっくり話したバイバインと栗まんじゅうの話。

それが、面白そう、となるわけです。

ほんわかぱっぱです。

バイバインと栗まんじゅうを体験できる企画がかつて存在していた

この記事を書く上で、ちょっとバイバインと栗まんじゅうについて調べてみたのですが、とんでもなく楽しいものを見つけてしまいました。

神奈川県川崎市にある藤子・F・不二雄ミュージアム内にあるカフェにて、

バイバンde無限くりまんじゅう

なるメニューが存在していたのです!

なんとですね、まず注文するとバイバイバン(多分ハリボテ)とお茶と栗まんじゅうが一つ出てきます。

そして、おかわりするたびに栗まんじゅうが倍の数出てくるのです!

ちゃんとメニューの書かれたページには、12回おかわりすれば2048個の栗まんじゅうになることが書かれています。

これは最高に面白いですね。

もちろん、そんなに食べれませんし、それこそ本編ののび太君と同じように栗まんじゅう見るのもイヤになっちゃいそうです。

※Twitterにて実際に行った方の画像があったので紹介させていただきます。@mayumi_youmu様

4バイでこの数ですので、おそろしいですね笑

ただ、こんな面白い企画、きっとガチ饅頭勢が押し寄せちゃったりもしたんじゃないですかね。

一応12月13日の今日、ミュージアムのネットから見れるメニューを見てみたのですが、バイバインのかかった栗まんじゅうはメニューにありませんでした。

残念!

藤子・F・不二雄ミュージアム:栗まんじゅうメニューページ(現在はメニューにありませんのでご注意ください)

というか藤子・F・不二雄ミュージアムなんていう素敵なものが川崎にあったのを今回知りましたので大きな収穫です。妻も藤子・F・不二雄好きなので是非今度行こうと思います。

まとめ:話の面白さからオチまで、やはり『ドラえもん』と藤子・F・不二雄はすごかった

まずやっぱりとにかく話が抜群に面白いんです。

おいしそうな栗まんじゅうをなんとかもっとたくさん食べたい!と思う人類の夢の代弁者たるのび太君。

そしてそれをしっかりとデメリット付きの甘くない倍々に増えていくという道具で解決してくれるドラえもん。

結局みんなの予想通りに食べきれない量に増えてしまい、宇宙に打ち上げるというとんでもない結末。

そしてさらに素敵なのが、今この瞬間も、あの時ドラえもんが打ち上げた栗まんじゅうが宇宙のどこかで倍々に増え続けているということです。

ただの昔の漫画の中のお話を超越して、現代の僕らにまで宇宙を見上げて栗まんじゅうを想像させる。

藤子・F・不二雄先生は宝石のような凝縮された物語を作る天才。

まさに栗まんじゅうが増えまくる、というふざけているかのような話の中にその真骨頂を僕は見た気がします。

そして、それを大あらすじだけでざっくり話したって伝わる面白さ。

特にオチもないこの記事ではありますが、もし最後まで読んでくれた方がいたのであれば、今夜は空を見上げて増え続ける栗まんじゅうに想いを馳せてみてはいかが?

一応、漫画内では光速で進むロケットだから倍々に増えたりしない、という謎の説明はされてますがちょっと何言ってるかわかんないです。

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