『このマンガがすごい!2021』オトコ編で1位を受賞し、今『呪術廻戦』を制作しているアニメーションスタジオMAPPAの制作でアニメ化も決定している漫画、『チェンソーマン』。
『週刊少年ジャンプ』が2019年1号から2021年2号まで連載され完結済みですが、なんと第2部を『少年ジャンプ+』にて連載予定とのことで、アニメ化に2部のスタートにとこれからさらに加速度的に盛り上がっていくであろう作品であることは間違いないでしょう。
で、この『チェンソーマン』、読んでみないことには本当にどういうお話なのか想像できませんよね笑
コミックの表紙を見ると、なんかチェンンソーと人が合体したみたいなヤバイ奴が出てくることぐらいしかわかりません。
作者の藤本タツキ先生の前作を知っている方は、独特の力強いエログロ描写やちょっと賛否ありそうな展開を期待するかも知れませんが、僕が読んだ上での結論から言うと、
めちゃくちゃ加減が最高過ぎてなぜか爆笑しちゃう
そんな漫画でした。僕は、です。
もちろん、コメディではなくジャンプ的な王道バトルマンガです。
以下、ネタバレはあまりしないようにしつつ、どこが面白かったか簡単に紹介してみたいと思います。
もし読もうか迷っている場合には参考にしてください。
個性的なんてレベルじゃない超クセの塊な登場人物達
どんな世界観のお話かというと、「悪魔」がはびこっている世界で、その悪魔が人型になって魔人として暮らしていたり、悪さしているか退治したり、悪魔対策の為の組織があったりと、そのような世界観です。
ちょっとだけ『呪術廻戦』の「呪い」の扱いと似てるかも、と思いました。
そして、主人公のデンジは結構悲惨な子供時代を過ごし、色々あってチェンソーマンに変身できるようになるのですが、もうこの発想の辺りから「この作者やべぇぞ」と気づくわけです。
主人公にチェンソーを持ってくるっていう。
主人公がチェンソーマンだと、当然出てくる登場人物皆ヤバイです。
敵も悉くヤバイです。
なんか超セクシーなお姉さん出てきていい感じになってドキドキ展開で最高かよって思ってたらボンバーマンが始まりました――ぐらいに普通の奴は出てきません。
あと、僕が今まで多くの漫画に感じていた、「圧倒的に強い敵というのは本当に圧倒的であるべき」という願いを見事にかなえてくれていました。
圧倒的に強い敵が、しっかり圧倒的に強いです。
もう絶対勝てないじゃん、ぐらい圧倒的にです。
そして、それがまた超楽しいです。
主人公デンジの独特な価値観が面白い
主人公デンジは、子供時代が結構悲惨な境遇だったこともあり、幸せと感じるハードルがとても低いです。
それが今までにない主人公の価値観を作っていて、仰々しい信念などはなく、とてもシンプルで具体的な理由のみが行動原理となっています。
これがまた、最高にイイ。
大義名分なんてない、とても素朴で素直な理由で行動する主人公――最高でした。
そして本当に良い意味でデンジはバカになる事が多く、それが後述する漫画全体の「勢い」にもなっています。
シンプルにキスがしたい、シンプルにおっぱい揉みたい、シンプルに楽がしたい、シンプルに飯が食いたいだけ――こんな人間らしい主人公、愛さずにはいられません。
読む者をハイにさせ全てが面白く見えちゃう芸術的なまでの勢い
僕が読んで思った中では最も重要な要素が、この漫画特有の「勢い」です。
主人公デンジが明らかにキツイ戦いの中で吹っ切れてちょっとまともとは思えない方法で状況を打開していく様子。
それがまた今までの「まともな」主人公だったら絶対に思いつかないような「勢いだけ」の作戦であったりするのですが、その勢いに敵も圧されてなぜか勝っていくのです。
この漫画は、江戸っ子漫画です。
その勢いを楽しむべきであって、「え、でも今の何で?」とか言っちゃ野暮なのです。
物語序盤でもこの「勢い」の面白さは十分堪能できるのですが、物語が終盤に近付くにつれてその勢いは凄まじいものとなり、途中からはもう芸術的だ!とすら思うようになり、最後には全然笑うシーンじゃないのに勢いが楽しすぎて爆笑することになりました。
それら芸術的なまでの勢いを読者に提供できるのは、作者の画力やコマ割りなどが優れているからであるのは間違いないでしょう。
藤本タツキ先生は巻末で好きなホラー映画などを挙げてますし、かなりの映画好きのようなので映画を見る上で培われたセンスもまたこの勢いの魔力に磨きをかけているのでしょう。
まとめ:『チェンソーマン』のジェットコースター的快感は絶対に体験すべき
『チェンソーマン』を読んだ感想を聞かれても、あまりうまくは答えられないような気がします。
「うーん、よくわかんないけど勢いあってめっちゃ面白いよ」
としか言えそうにありません。
面白い漫画ってたくさんあって、面白さはそれぞれ違うと思うのですが、『チェンソーマン』を読んで感じた「面白さ」はまた今まで感じた面白さとも全然違う、「新感覚」でした。
ちょっとエログロあって内臓ぶん回してたりするんでそういうの苦手な人はダメかも知れませんが、ジャンプで連載してたのでそのあたりは過度に心配しなくても大丈夫かとは思います。
で、最後にこれを読んで僕が何を思ったか? ですが、「面白いバトルマンガ読んだなぁ」ではなく、
なんかめっちゃ元気になった
です。
なんで? ……わからないです。
理屈じゃない勢いの魔力に完全にやられてしまった――そんなところかも知れません。
ジャンプ本誌では完結しましたが、コミックはまだ最終巻は未発売ですので、ぜひ一緒にこのジェットコースターみないな謎の神漫画を読んで最終巻の発売を待ち焦がれましょう!
少しでも気になったら試し読みだけでもしてみてください↓↓
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